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どうして全部分かってもらえる訳やないのに、全部見せなあかんの?
どうして全部理解してもらえる訳やないのに、全部話さなあかんの?
ずっと思ってた。
頑なと言われればそれまでだけど、話しても解決しない事を口にしなければならない事が嫌で堪らなかった。
心の奥にある事を口にする為の苦痛がどれだけなのかも知らないで。
だから、大人は嫌いだった。
無責任に暴いて、その傷口を塞ぐ事もなく去って行く。
大人だけじゃない。
多分子供の頃の俺は、周りの人間全てが苦手だったのだと思う。
友達も家族も好きだったけど、自分の事を全部知ってもらおうとは思わなかった。
無理な事だと心の何処かで分かっていたから。
とっくに諦めた筈なのに。
彼が現れた。
優しく手を差し伸べて、初めて誰にも踏み込ませなかった一線を越えて来た人。
無遠慮にではなく、けれど俺に拒絶を与えない狡さで。
俺の全てを暴き立てて、全部包んでしまった。
それは酷いやり方だと思ったのに、痛くて死にそうだったのに、でも嫌じゃなかった。
彼なら大丈夫だと、刷り込まれた感覚があったのかも知れない。
俺の中に踏み込んだ時に植え付けて行った感覚だったのだろう。
そうして隣に収まった彼は、俺の唯一の人になった。
2011/02/11 halfwaytale Trackback() Comment(0)
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