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剛は良く空を見上げている。
灰色の空でも星のない夜の空でも車越しの薄暗い空でさえ。
愛おしむ様に、それ以上に羨む様に。
その視線の先にはどんな空を求めているんだろう。
抜ける様な真っ青な空だろうか?それとも吸い込まれそうな真っ暗な空?
空を見上げる事すらなくなってしまった自分には、剛がどんな色を探しているのかが分からない。彼の隣に立って、同じ様に空を仰いでも見えるのは果てしなく遠いくすんだブルー。
どんなに求めても空は落ちて来ないし、その手に入る訳でもない。何を、求めて。
剛に聞いてみたい気がする。でもそれ以上に怖くて聞けない。きっと彼が紡ぐのはこの地上を否定する言葉だろうから。
剛の隣で、見えない空を一緒に見上げる事だけが、自分に許された事だった。
光一はきっと知らない。剛が何を求め、空を仰ぐかなんて。
知らなくて良い事だと、彼自身が思っている。
つよしは、その青に羨望と憧憬と愛を見出していた。
すぐ隣にいるのに決して手に入らない人の面影を追っているのだと。
[si:]DVD「Panic Disorder」を見て。
見上げた視線と伸ばした指先が何となく痛々しかったので。
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2011/02/11 halfwaytale Trackback() Comment(0)
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