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幼い光一の心にあった俺への感情は、間違いなく家族へのそれと同類の物で。優しく生温い彼の愛情を穢したのは、自分だった。
泣いても喚いても俺は手を緩めなかった。
いっそ壊れてしまえば良いと思いながら、頬に残る涙を拭う頃気付けば繋がっていたのだ。
とろりと潤む光一の黒い瞳、噛み締めた唇の桃色、肌の抜ける様な白。
其処に散った鬱血の紅、その身を穢す乳白色と太腿を辿る赤い血液。
全てが今も鮮明に残っている。彼にとっては苦しいだけのその夜から、俺達の関係が全て壊れた。
口を開かない光一、無言で手を伸ばす自分と。
何処にも逃げられない焦燥感だけが其処に在る。愛はなかった。
愛は、何処にもなかったのに。
光一の優しさを躙って、その無垢な瞳を濁らせた。
罪は生涯重く圧し掛かるだろう。
それでも、どうしても手に入れたかった物は一体何なのか。
分からないまま、今夜も俺は光一を組み敷くのだろう。
2011/02/11 halfwaytale Trackback() Comment(0)
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