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一緒に暮らそう、と喉まで出掛けている言葉をもう何年押さえつけているのか。
付き合い始めて多分、八年位になると思う。彼を恋愛の対象として意識してからなら、十年以上だ。
大切に大切に慈しんで来た彼を生涯の伴侶と決めるのは、何も一大決心なんて大層なものじゃなく。
唯、手放したくない思いばかりが先行していたから。光一と生きて行くのは、当たり前の事だった。
その当たり前の事実はお互い承認していると思う。
けれど、あのいつまでも臆病な恋人は近付き過ぎるのを恐れるのだ。
此処まで近くにいながら今更やとは思うんやけど。優しさから来る臆病なんやから仕方ないわな。
昔一緒に生活していた経験があるし、今だってどちらかの家に居る事が多いのだから、高い家賃の節約だと思えば、どうってことない。
そう割り切って打ち明けようと思うのだけど、彼の抱えている怯えも分からなくはないからつい言葉を飲み込んでしまう。
仕事で一緒にいる時間。プライベートで共に過ごす時間。
どちらかに齟齬が生じた時に、全ての時間を共有していては取り繕う余裕がなくなる。
剛に飽きられた時に簡単に離れられなくなる。辛い時苦しい時泣き出しそうな時、一人なら堪えられるけど、二人で居たらきっと弱さを晒してしまう。
そんな事を恐れて、一緒に暮らす事を持ち掛けても簡単には頷いてくれないだろう。
阿呆やな。何処にいたってそんなん全部分かるんやで。
遠い場所で心配させる位なら、抱き締めさせて欲しい。夜が明けるまで、ずっと傍にいたるから。
きっと光一は、こっちの思いなんか考えちゃいない。
いつだって自分勝手な恋人。
もう諦めて全部俺に渡してまい。お前の弱さも脆さも狡さも、何もかも。
そうすれば、お前の睫毛が震える前に抱き締める事だって出来るんやよ。
なあ、ずっと一緒にいようや。
何年も何十年も、誰も俺らを知らなくなっても、ずっと。
二人きりでおりたい。死ぬまでお前と生きて行きたいんやよ。
2011/02/11 halfwaytale Trackback() Comment(0)
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