[PR]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
- Newer : halfway tale 41
- Older : halfway tale 39
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
+
+
祈るのは、彼の為なんかじゃなかった。
唯ひたすら己の逃避と追憶だけに。
光一、お前の為だけに生きるから。
お前はその空の上から、いつまでも俺を許さずにいて欲しい。
細い首に手を掛けた俺ですら、生き続けて欲しいと願った残酷な恋人。
目を閉じて、俺の世界の全てを受け入れた。
そんな風に愛して欲しかった訳じゃないと、今は言えるのに。
俺に全てを預けた貴方は、優しく笑った。
「お前のもんに、やっと、なれるんやね……」
囁いた言葉が、静かな部屋で今も充満していた。
指先には、彼の頸動脈の感触がある。
光一を自分の物にしたくて、誰にも見せたくなくて、いつまでもその瞳に自分一人を映したかった。
願いは叶ったと言うのに。
何故僕は、こんなに哀しいのだろう。
ああ、また暗い……。
←back/top/next→
2011/02/11 halfwaytale Trackback() Comment(0)
COMMENT
COMMENT FORM
TRACKBACK